Tanti Anni Prima

雑食なエンジニアの本棚

2023-01-01から1年間の記事一覧

【蔵書No. 28】本当に怒らせてはいけない人 | 52ヘルツのクジラたち

52ヘルツのクジラというのはクジラの中でも特異な存在らしい。一般的なクジラは普段10~39ヘルツの範囲で鳴いている。それに対して52ヘルツというのは明らかに高い周波数である。楽器に例えるとチューバの最低の音よりもわずかに高い(「いや低いやんけ」と…

【蔵書No. 27】プロジェクト管理術のアップデート | ProjectManagement進化論

社会人になって企業で働くと、規模の大小問わず組織のプロジェクトに参入することがあるだろう。自分は複数の企業を練り歩いたわけでは無いので詳細は分からない。だが、当初定めたはずの開発日程や計画が遅れてしまうというのは日常茶飯事なのではないだろ…

【蔵書No. 26】御御御付はやっぱり最強説 | 一汁一菜でよいという提案

平日の社会人はとにかく食事に割く時間がない。朝起きるとすぐに出発までのタイトな時間で朝食の準備をしなければならない。そして夜帰ってきたら帰ってきたで、献立を考えつつ、あまり夜遅くならないようにと急いで料理をしなければならない。独身に限らず…

【蔵書No. 25】ビジネス書のハードル | 世界の起業家が学んでいるMBA経営理論の必読書50冊を1冊にまとめてみた

最近は読書にも慣れ、電車の通勤時間がそこそこ長いこともあって読書量が格段に増えてきた。だがその中でもビジネス書の量は圧倒的に少ない。非常に言い訳がましいかも知れないがその理由は、どのビジネス書も同じようなことを書いているように見えてしまう…

ジョン・ウィリアムズの音楽

「ジョン・ウィリアムズ」偏見だが日本ではこの名前を聞いてピンと来ない人は意外といるんじゃないだろうか。だが、彼の功績を知らない人はいないはずだ。ジョン・ウィリアムズはアメリカの作曲家であるが、「スターウォーズ」「ハリー・ポッター」「ジュラ…

【蔵書No. 24】天然物>人工物? | 魚ビジネス

日本の各地でフレッシュな魚料理に舌鼓を打つ度に考えることだが、地元が魚の名産地である人は苦労することが多いのではないだろうか。というのも、幼いころから美味しすぎる魚を食べ続けていると舌が肥えに肥え、これがスタンダードなのだと思い込んでしま…

【蔵書No. 23】人生で最もお金を費やすもの | 下流の宴

この作品をドラマで見たのは2011年頃だったと思う。当時はあまり読書もしていなかったため、今も昔も有名人なはずの林真理子氏の存在も知らなかった。当時ドラマ自体は割とありふれている設定に思えたのだが、妙なリアルさがあり、謎の惹き付ける力があった…

【蔵書No. 22】弱い自分を認めること | 自分の中に毒を持て

岡本太郎氏は、大阪万博のシンボルとして有名な太陽の塔の制作者であり、「芸術は爆発だ」という名言を残した人物として有名である。しかし自分の中ではその2つの情報のインパクトが強すぎて、岡本太郎氏本人についてあまり深掘りしたことがない。当然、本人…

ガルシア&ハンブルク交響楽団コンサート

ここ数年でコロナが緩和して数々のクラシックのコンクールが息を吹き返してきたが、自分の中では2021年のショパンコンクールを超えるアツい闘いは未だない。それは自分がショパンが好きという理由のみならず、やはり当時スター性を有するコンテスタント達が…

【蔵書No. 21】音楽が無ければ... | 音楽は自由にする

今年の春に本人の訃報を知った時は正直信じることができなかった。振り返ってみると、物心ついた時から教授の音楽がそばにあるのが当たり前になっていた。だが、楽曲だけでなく本人の生き様について興味を持ち始めたのは、楽曲自体を知ってからかなり後のこ…

【蔵書No. 20】知識の「リンク化」という考え方 | 忘れる読書

世の中の人々がどのような姿勢で読書をしているのかはあまり良く知らないのだが、自分は読んだ本の内容の大半は忘れてしまう。どんなにメッセージ性の強い内容であっても、記憶しているのはせいぜいそのうちの1%、もっと酷い時は0.1%程度という場合が往々に…

理系かぶれの紫陽花巡り3年目

京都の宇治では平等院という世界遺産の称号をほしいままにする横綱が目立つが、同時に紫陽花の名所でもあるという認識が自分の中で強まりつつある。学生の頃は京都なんて修学旅行シーズンの紅葉の季節しか行く機会がなかったものだが、仕事の関係で関西に半…

【蔵書No. 19】イヤミス中毒という沼 | ルビンの壺が割れた

会社の同期というものは非常にありがたいもので、その人伝いでしか知り得ない作品というものがたまにある。自分が細々と読書を続けていることを知っていた同期が「ルビンの壺が割れた」を紹介してきたのはある日の昼食の事だ。口から先に生まれたようなその…

【蔵書No. 18】悪夢を断ち切りたい | フロイトの精神分析

「どうしてあんな夢を見てしまうのだろうか」と悪夢から目覚める度に思う。他人と夢に関する話をガッツリしたことは今までない。だが、恐らく人によっては夢の中で一生いきなりステーキを食べ続けていたり、ディズニーランドで待ち時間0秒ですべてのアトラク…

【蔵書No. 17】図書室とプレゼントとドリームキラーと | お探し物は図書室まで

横浜で開催される友人の結婚式に参加せんと休日の朝早く新大阪駅に向かった自分であるが、手元に本が何もないことに気付く。「これでは車中で手持ち無沙汰になってしまうな」と思いつつ、早い時間からオープンする本屋に開店と同時に駆け込む。出発までの制…

リベンジMIHO MUSEUM

「関西圏の有名な美術館はどうして軒並み辺鄙な場所にあるのだろうか。」というのは自分が関西に移住して以来ずっと持ち続けている疑問である。関東圏ならば、一度東京に身を投げてしまえばどんなに方向音痴な人でも美術館に辿り着けるであろうと思える程に…

【蔵書No. 16】「分からない」発言撲滅運動 | 思考の整理学

ChatGPTをはじめとしたAIの出現によって、今までの働き方や特定の分野の学習方法がこれから様変わりしていくことは想像に難くない。その拡散スピードを以て実際にAIを試してみた方々は、その実力を肌で感じていることだろう。そんな中、AIの出現で仕事を奪わ…

伊豆の走り子

いくら関西に住んでいて関東へのフットワークが重くなっていようと、友人から「伊豆大島に繰り出さないか」という魅力的な提案をされようものなら鼻息を荒くして参戦することはやぶさかではない。「存在は知っているが何かきっかけがないと行かない」ランキ…

【蔵書No. 15】笑いからしか得られない栄養素 | 一旦書かせて頂きます

自分は仕事開始と同時に初めて関西に移住した身だが、関西にいると、なんというかお笑いに関する周りからの圧力が強い。日常会話には頻繁にオチを求められるし、相槌に乗せて何か気の利いた返しが自ずと必要になるのである。関東にいた時はもはや都市伝説だ…

ろくにリサーチせず吉野の桜に弾丸した結果

いくら普段家にいてのんびりするのが好きでも、春に突入すると桜が見たくて外に出たくなってくる。というか、気がついたら、何故か桜を見ないと罪悪感に苛まれるような身体になってしまっている。これは自分の性格がどうこうと言うよりも、本来日本人にDNAレ…

【蔵書No. 14】一億総オタク社会にむけて | 幸せのメカニズム

社会に出ると、学生の時のようにテストなどの点数で評価されることは少なくなる。そうなると競争意識はなくなり、一見自由な生き方ができるように思われる。しかし、実際にはそんなことはない。むしろ、他人との比較はより加速することになるだろう。そんな…

【蔵書No. 13】なぜクラシック音楽は流行らないのか | 終止符のない人生

2020年に実施される予定だったショパンコンクールはコロナの影響で翌年に開催されることになった。開催が5年に一度という、五輪よりもレアなイベントであるショパンコンクール。今までファイナルを見ることはあっても、一次予選から見ていたのは今回が初めて…

【蔵書No. 12】ライティングの枷は何なのだろうか | 読みたいことを、書けばいい。

最近は色んなメディアに触れることが多くなった。そのためインプットはたくさんあっても、アウトプットする機会がめっきり減った。最近は書店に足を運ぶと、アウトプットの指南書がたくさん並んでいる。「アウトプット大全(樺沢紫苑著)」などはその代表格…

【蔵書No. 11】会話の価値を高めるために | 自分のことは話すな

自分の周りには「この人話長いな...」とか「自分のことしか話さんやん...」と感想をついつい抱いてしまうくらい自分語りが好きな人がいる。しかし冷静に振り返って見ると案外ブーメランだったりするのだ。自分が書店をうろつきながら本書のタイトルに惹かれ…

【蔵書No. 10】成功するための「一万時間の法則」とは?

世の中で成功している人の中には、その分野において卓越した能力の持ち主であるアウトライヤーが少なからずいる。いわゆる「天才」と呼ばれる人たちだ。そして、その人たちは通常「生まれつき才能がある『天才』であったから成功した。」と思われがちである…

【蔵書No. 9】なんでも見つかる夜に、こころだけが見つからない

レコードやCD、DVDが全盛期だった時代はよく「ジャケ買い」なんて言葉が使われていたが、本においてそれを実践したのは意外と本書が初めてかも知れない。本書はそれほど魅力的に感じる素敵なタイトルだと思った。社会が徐々に煩雑化し、コロナ禍でよりストレ…

【蔵書No. 8】思考停止は罪なのだろうか | 思考停止という病

これは少々偏見だが、「思考停止という病」というタイトルを書店で見かけて興味をひいたり読んでみたくなる人は、現状に満足していなかったり、潜在的にそのことで悩んでしまっている人ではないかと思う。(自分もその節があったので、手に取ってしまった)…