Tanti Anni Prima

雑食なエンジニアの本棚

【蔵書No. 38】乱世を生き抜くために | 苦しかったときの話をしようか

「あなたは将来何になりたいのか?」という問いに、昔だったら容易に答えられただろう。だが大人になった今はどうだろうか?昔から信念を曲げずに「将来こうないっていたい」というイメージを描き続けている人は少ないのではないだろうか。こういう自分自身…

【蔵書No. 37】落語の魅力 | おあとがよろしいようで

自分が最初に落語に興味を持ったのは、Podcastが世に出回り始めたころだったと思う。当時はPodcastを利用したWeb版の寄席を配信するチャンネルがあり、当時メディアといえばテレビや新聞しか知らなかった自分にとっては、そういったWebのコンテンツは非常に…

【蔵書No. 36】生産性爆上げメソッド | 世界一流エンジニアの思考法

自分が社会人になって認識を改めたことが2つある。それは「その人がいなくても会社は回る」と「仲良くなるために会社に来ているわけではない」はあまり信用できない戯言だということだ。自分は現在の会社がファーストキャリアであるから他の会社を沢山見たわ…

【蔵書No. 35】マインドマップでよいという提案 | マインドマップ読書術

Chatworkが2022年に出した調査結果によれば、ビジネスメールで多用される「お世話になっております」という書き出し、あれに1日で最大81億円もの給与が割かれてしまっているらしい。確かにベタな挨拶は脳死で使える便利な書き出しの言葉ではある。ところがこ…

【アルバムNo. 1】職人ラヴェルと超人ベルリオーズ

自分が「このアルバムを買いたい」と思うきっかけは、ひとえに好きなアーティストが演奏していたり、好きな楽曲が収録されているからである。だが振り返ってみると、その演奏が収録された当時の背景や曲そのものに関する情報を深堀りすることはあまりなかっ…

【蔵書No. 34】「からくれなゐ」を英語で? | 英語で読む百人一首

昔は学生時代に百人一首を覚えるのが常であったようだが、それを今でも実践している学校はめっきり減ったのだろう。自分自身振り返ってみても、百人一首のうち何首か知ってはいるという状態だったが、がっつり覚える機会は殆どなかった。そんな自分が百人一…

【蔵書No. 33】ブレインフォグから抜け出すために | 「頭のゴミ」を捨てれば、脳は一瞬で目覚める!

ブレインフォグという言葉がある。これは文字通り脳に霧がかかったようにモヤモヤとした状態のことを指す。そのことにより、何年もスッキリしない状態であったり、集中するべき時に思ったように集中できなくなる。いつからかは分からないが、自分は所謂この…

【蔵書No. 32】歌の第三勢力「都々逸」 | 26文字のラブレター

都々逸(どどいつ)が世の中ではまだまだマイノリティであるのがなんとももどかしい。俳句や短歌なら知ってはいるが都々逸は知らん、という人は多いだろう。そんな人にはぜひ本書を通して都々逸の魅力に触れて頂きたい。そもそも都々逸というのは江戸末期に…

【蔵書No. 31】「劣等コンプレックス」とは? | アドラー心理学入門

「人間関係をなんとかしたい」とか「もっと自分に自信を持ちたい」とか、生きているとそういう悩みや壁にぶち当たることがあるだろう。そういう悩みは、不思議と自分の中で抱えがちであり、あまり人に打ち明けることがない。だが、それらを抱え続けていると…

ソフトウェアアレルギー患者が基本情報技術者試験を受けに行った話

エンジニアとして働き始めて約5年が経過しようとしている。自分はその5年間をほぼ機構設計の領域に費やしてきたわけだが、その立場から言わせてもらうとソフトウェアのエンジニアは本当に凄い。メカの領域ならばある程度CAD等で視覚化ができるし、最初は複雑…

【蔵書No. 30】財前派?or里見派? | 白い巨塔

自分は医療のヒューマンドラマが描かれた作品を好んで読むが、白い巨塔ほど読み返している作品はない。最初に本作品を知ったのは唐沢寿明版のドラマをテレビで見た時だった。当初は「こんなドロドロした世界が存在するのか」と子供ながらにドラマを見ていた…

【蔵書No. 29】成功するために何を考えるべきか | 月の商人

日々暮らしていて、自分の現在の状態が「上手くいっている」「成功している」と見極めるのはなかなか難しそうだ。むしろ生きていれば「上手く行っているかどうか分からない」という時間が人生の大半を占めているようにも思える。だがどんな時でも、世の中で…

【蔵書No. 28】本当に怒らせてはいけない人 | 52ヘルツのクジラたち

52ヘルツのクジラというのはクジラの中でも特異な存在らしい。一般的なクジラは普段10~39ヘルツの範囲で鳴いている。それに対して52ヘルツというのは明らかに高い周波数である。楽器に例えるとチューバの最低の音よりもわずかに高い(「いや低いやんけ」と…

【蔵書No. 27】プロジェクト管理術のアップデート | ProjectManagement進化論

社会人になって企業で働くと、規模の大小問わず組織のプロジェクトに参入することがあるだろう。自分は複数の企業を練り歩いたわけでは無いので詳細は分からない。だが、当初定めたはずの開発日程や計画が遅れてしまうというのは日常茶飯事なのではないだろ…

【蔵書No. 26】御御御付はやっぱり最強説 | 一汁一菜でよいという提案

平日の社会人はとにかく食事に割く時間がない。朝起きるとすぐに出発までのタイトな時間で朝食の準備をしなければならない。そして夜帰ってきたら帰ってきたで、献立を考えつつ、あまり夜遅くならないようにと急いで料理をしなければならない。独身に限らず…

【蔵書No. 25】ビジネス書のハードル | 世界の起業家が学んでいるMBA経営理論の必読書50冊を1冊にまとめてみた

最近は読書にも慣れ、電車の通勤時間がそこそこ長いこともあって読書量が格段に増えてきた。だがその中でもビジネス書の量は圧倒的に少ない。非常に言い訳がましいかも知れないがその理由は、どのビジネス書も同じようなことを書いているように見えてしまう…

ジョン・ウィリアムズの音楽

「ジョン・ウィリアムズ」偏見だが日本ではこの名前を聞いてピンと来ない人は意外といるんじゃないだろうか。だが、彼の功績を知らない人はいないはずだ。ジョン・ウィリアムズはアメリカの作曲家であるが、「スターウォーズ」「ハリー・ポッター」「ジュラ…

【蔵書No. 24】天然物>人工物? | 魚ビジネス

日本の各地でフレッシュな魚料理に舌鼓を打つ度に考えることだが、地元が魚の名産地である人は苦労することが多いのではないだろうか。というのも、幼いころから美味しすぎる魚を食べ続けていると舌が肥えに肥え、これがスタンダードなのだと思い込んでしま…

【蔵書No. 23】人生で最もお金を費やすもの | 下流の宴

この作品をドラマで見たのは2011年頃だったと思う。当時はあまり読書もしていなかったため、今も昔も有名人なはずの林真理子氏の存在も知らなかった。当時ドラマ自体は割とありふれている設定に思えたのだが、妙なリアルさがあり、謎の惹き付ける力があった…

【蔵書No. 22】弱い自分を認めること | 自分の中に毒を持て

岡本太郎氏は、大阪万博のシンボルとして有名な太陽の塔の制作者であり、「芸術は爆発だ」という名言を残した人物として有名である。しかし自分の中ではその2つの情報のインパクトが強すぎて、岡本太郎氏本人についてあまり深掘りしたことがない。当然、本人…

ガルシア&ハンブルク交響楽団コンサート

ここ数年でコロナが緩和して数々のクラシックのコンクールが息を吹き返してきたが、自分の中では2021年のショパンコンクールを超えるアツい闘いは未だない。それは自分がショパンが好きという理由のみならず、やはり当時スター性を有するコンテスタント達が…

【蔵書No. 21】音楽が無ければ... | 音楽は自由にする

今年の春に本人の訃報を知った時は正直信じることができなかった。振り返ってみると、物心ついた時から教授の音楽がそばにあるのが当たり前になっていた。だが、楽曲だけでなく本人の生き様について興味を持ち始めたのは、楽曲自体を知ってからかなり後のこ…

【蔵書No. 20】知識の「リンク化」という考え方 | 忘れる読書

世の中の人々がどのような姿勢で読書をしているのかはあまり良く知らないのだが、自分は読んだ本の内容の大半は忘れてしまう。どんなにメッセージ性の強い内容であっても、記憶しているのはせいぜいそのうちの1%、もっと酷い時は0.1%程度という場合が往々に…

理系かぶれの紫陽花巡り3年目

京都の宇治では平等院という世界遺産の称号をほしいままにする横綱が目立つが、同時に紫陽花の名所でもあるという認識が自分の中で強まりつつある。学生の頃は京都なんて修学旅行シーズンの紅葉の季節しか行く機会がなかったものだが、仕事の関係で関西に半…

【蔵書No. 19】イヤミス中毒という沼 | ルビンの壺が割れた

会社の同期というものは非常にありがたいもので、その人伝いでしか知り得ない作品というものがたまにある。自分が細々と読書を続けていることを知っていた同期が「ルビンの壺が割れた」を紹介してきたのはある日の昼食の事だ。口から先に生まれたようなその…

【蔵書No. 18】悪夢を断ち切りたい | フロイトの精神分析

「どうしてあんな夢を見てしまうのだろうか」と悪夢から目覚める度に思う。他人と夢に関する話をガッツリしたことは今までない。だが、恐らく人によっては夢の中で一生いきなりステーキを食べ続けていたり、ディズニーランドで待ち時間0秒ですべてのアトラク…

【蔵書No. 17】図書室とプレゼントとドリームキラーと | お探し物は図書室まで

横浜で開催される友人の結婚式に参加せんと休日の朝早く新大阪駅に向かった自分であるが、手元に本が何もないことに気付く。「これでは車中で手持ち無沙汰になってしまうな」と思いつつ、早い時間からオープンする本屋に開店と同時に駆け込む。出発までの制…

リベンジMIHO MUSEUM

「関西圏の有名な美術館はどうして軒並み辺鄙な場所にあるのだろうか。」というのは自分が関西に移住して以来ずっと持ち続けている疑問である。関東圏ならば、一度東京に身を投げてしまえばどんなに方向音痴な人でも美術館に辿り着けるであろうと思える程に…

【蔵書No. 16】「分からない」発言撲滅運動 | 思考の整理学

ChatGPTをはじめとしたAIの出現によって、今までの働き方や特定の分野の学習方法がこれから様変わりしていくことは想像に難くない。その拡散スピードを以て実際にAIを試してみた方々は、その実力を肌で感じていることだろう。そんな中、AIの出現で仕事を奪わ…

伊豆の走り子

いくら関西に住んでいて関東へのフットワークが重くなっていようと、友人から「伊豆大島に繰り出さないか」という魅力的な提案をされようものなら鼻息を荒くして参戦することはやぶさかではない。「存在は知っているが何かきっかけがないと行かない」ランキ…